
失敗しない設備設計会社の選び方|依頼前に確認すべきチェックポイントを現場目線で解説

設備設計は「後から修正が難しい」からこそ、最初の確認が重要
設備設計は、完成後に見た目だけで良し悪しが判断しにくい分野です。
そのため、一度工事が始まってから
「思っていた使い方と違っていた」
「前提条件の認識にズレがあった」
と気づいても、設計の修正が難しく、コストや工期に影響することがあります。
特に、
- 建物をどのように使うのか(住宅・店舗・福祉施設など)
- 将来の使い方や運営も含めてどんな計画なのか
といった点は、設計の考え方や必要な設備に大きく関わります。
だからこそ、設備設計会社を探す際は、 「早い」「安い」といった条件だけでなく、
- その内容に近い案件の経験があるか
- 計画の背景や使い方まで踏み込んで確認してくれるか
といった点まで含めて判断することが大切です。
この記事では、初めて設備設計会社に相談する方でも迷わないように、依頼前に押さえておきたいチェックポイントを、現場の視点からわかりやすく解説します。
設備設計会社選びでよくある「つまずき」
設備設計は専門的な分野のため、発注者が最初からすべてを整理できていなくても問題ありません。
だからこそ、その前提に立って一つずつ確認・整理してくれる設備設計会社を選ぶことが、後々のトラブルを防ぐポイントになります。
建物の使い方や優先順位を、整理しながら引き出してくれるか

建物の用途や、事業主として何を重視したいかは、
発注者自身も「まだ固まっていない」「言葉にしきれていない」ことが多いものです。
そのため、
- 建物の使い方
- 重視したいポイント(コスト・運用・将来変更など)
を質問しながら整理してくれるかどうかが、設計会社選びの重要なポイントになります。
ここを深く確認せずに進むと、後から 「本当はここを重視したかった」というズレが出やすくなります。
改修工事で、実際の工事条件まで踏み込んで確認してくれるか
改修工事では、設計図だけでは分からない
- 機器の搬入方法
- エレベーターの使用可否
- 営業中・居住中での工事可否
といった現場条件が工事に大きく影響します。
こうした点を 「設計とは別の話」とせず、早い段階で一緒に確認してくれる会社かどうかが重要です。
「当然そうだろう」で終わらせず、確認事項を整理してくれるか
設備設計では、発注者と設計者の間で「当然伝わっていると思っていたこと」が、実は共有されていないケースがあります。
そこで重要なのが、
- 絶対に外せない条件
- 後から変更できないポイント
を設計会社側が整理して確認してくれるかどうかです。
確認の仕方が丁寧な会社ほど、手戻りが起きにくくなります。
設計会社の得意・不得意をHPだけで判断してしまう
設備設計会社は業務内容が似ているため、ホームページだけでは
- どんな用途の経験が多いのか
- どの分野を得意としているのか
が分かりにくいことがあります。
そのため、依頼してから 「想像していた得意分野と少し違った」と感じるケースもあります。
設備設計では、 「発注者がどれだけ準備できているか」よりも、「そうした点をきちんと整理しながら進めてくれる会社かどうか」が重要になります。
次の章では、こうした視点を踏まえて、設備設計会社を選ぶ際に確認しておきたいポイントを具体的に紹介します。
設備設計会社を選ぶときのチェックポイント
では、実際に設備設計会社を選ぶ際、どのような点を確認すればよいのでしょうか。
ここでは、相談時にチェックしておきたいポイントを具体的に紹介します。
1)建物用途や事業主の意向を整理しながら確認してくれるか
設備設計は、建物用途(住宅/商業/福祉/医療/学校など)によって、必要な設備や適用される法規が変わることがあります。
そのため、次のような点を質問しながら整理してくれる会社であれば安心です。
- 建物用途(設計上・申請上でズレがないか)
- 事業主として何を重視したいか(コスト/運用/将来変更/工期など)
- 今回の計画で「絶対に外せない条件」は何か
ヒアリングが丁寧でも、それは遠回りではなく、後からの手戻りを減らすための前準備といえます。
こうした確認が重要になる背景には、建物の用途によって、設備設計の考え方や注意点が大きく変わるという事情があります。
商業施設・住宅・福祉施設など、用途ごとにどのような違いが出てくるのかは、 以下の記事で詳しく解説しています。
2)改修工事での搬入経路や運搬条件まで踏み込んで確認してくれるか
改修工事では、機器の性能や配置だけでなく、実際にどうやって工事を行うかが重要になる場面が多くあります。
たとえば、次のような点まで確認してくれるかがポイントです。
- 機器をどこから搬入するのか
- エレベーターを使う場合、寸法・重量・使用時間に問題はないか
- 搬入や施工が、営業や居住に影響しないか
こうした点を早い段階で一緒に確認してくれる会社であれば、工事段階での混乱や想定外の制約を減らすことができます。
3)要望の取りこぼしを防ぐための「確認の仕組み」があるか
設備設計では、「当然伝わっていると思っていたこと」が、実は共有されていない、ということが起こりがちです。
それを防ぐために、次のような内容を整理して確認してくれる仕組みがあるかが重要です。
- 何を決める必要があるか(用途・基準・工事条件など)
- 誰が決める内容なのか(施主/管理者/テナントなど)
- いつまでに決める必要があるか

こうした“確認の型”を持っている設備設計会社ほど、進行が安定し、手戻りが起きにくくなります。
4)得意分野・経験領域を具体的に説明してくれるか
設備設計業界では業務内容が似ているため、ホームページだけで得意・不得意を判断するのは難しいことがあります。
そのため、初回相談時には次のような質問をしてみるのがおすすめです。
- 似た用途の実績はどのくらいありますか?
- 特に得意な用途や設備分野はどこですか?
- 逆に、経験が少ない領域があれば教えてください
これらに対して、具体例を交えて説明してくれる会社であれば、依頼後のミスマッチが起きにくくなります。
5)コミュニケーション体制(オンライン対応を含む)が整っているか
最近は、Zoomなどを活用して全国対応している設備設計会社も増えています。
一方で、遠方対応ではコミュニケーションの取り方が品質に影響を与えます。
事前に次の点を確認しておくと安心です。
- 打合せ方法(オンライン/対面の頻度)
- 資料の共有方法(図面・写真・確認事項など)
- 連絡頻度の目安
こうした点を最初にすり合わせておくことで、進行中のストレスを減らすことができます。
まとめ
設備設計会社を選ぶ際は、実績や価格だけでなく、こうした点を一つずつ確認しながら進めてくれるかどうかを判断基準にすると安心です。
次の章では、実際に依頼前に聞いておくと安心な質問例を紹介します。
依頼前に聞いておくと安心な質問例
ここまで紹介してきたポイントを踏まえ、 設備設計会社へ相談する際に、確認しておくと安心な質問例をまとめます。
- 今回想定している建物の使い方について、設計や各種手続きの面で注意すべき点はありますか?
- 「事務所」「店舗」「福祉施設」など、使い方によって必要な設備や基準の考え方が変わることがあります。
- 改修工事の場合、搬入経路やエレベーターでの運搬も含めて確認してもらえますか?
- 設計図上では問題なくても、実際の工事条件によって制約が出ることがあります。
- 設計を進める中で、確認事項を整理するチェックリストのようなものはありますか?
- 要望の取りこぼしや認識のズレを防ぐためです。
- 今回の用途や設備分野について、これまでの経験はどの程度ありますか?
- 似た事例の経験があるかどうかで、設計の進めやすさや安心感が変わります。
- 遠方対応になる場合、打合せや確認はどのような進め方になりますか?
- オンライン対応や連絡方法を事前に把握しておくと、進行がスムーズになります。
まとめ:設備設計会社選びは「確認の進め方」で差が出る
設備設計では、検討すべきことが多く、最初からすべてが明確になっているケースの方が少ないのが実情です。
そのため重要なのは、
- 不明点や曖昧な部分をそのままにせず
- 設計の初期段階で一つずつ整理しながら進められるか
という確認の進め方です。
今回ご紹介したチェックポイントを意識することで、「あとから条件が違っていた」「もっと早く相談しておけばよかった」といった事態を防ぎやすくなります。
設備設計は専門性が高い分野だからこそ、疑問や不安を早い段階で共有し、整理しながら進めてくれるパートナーを選ぶことが大切です。
計画が完全に固まっていない段階でも問題ありませんので、まずは現状の整理から、お気軽にご相談ください。


